インディテックス(ZARA)の2021年度上半期決算 第2四半期は過去最高益更新で回復中
インディテックス2021年度上半期決算(2021年2月~7月)が発表されていたので
資料に目を通しました。
あえて、前年2020年度対比ではなく、好調だったパンデミック前の2019年度対比でまとめてみます。
第1四半期(2月~4月)こそ、
売上高 パンデミック前の2019年度比 83%、
営業利益 同 58%でしたが、
営業利益率 11.5% (-5%)
99%のお店が営業状態に戻った
第2四半期(5月~7月)は
売上高が 2019年比で 101.5%、
営業利益 同 105.3%
営業利益率 16.0%(+0.6%)
と2Qとしては過去最高益となりました。
上半期を通じては
売上高が 2019年比で 93.1%、
営業利益 同 82.6%
営業利益率 14.1%(-1.8%)
としてはまだまだですが、2Qの過去最高益の回復ぶりは特筆すべきことでしょう。
在庫状況についても
2Q末の在庫高は2019年とほぼ同じ水準で
在庫回転率 年換算ベース 4.5回転、
在庫日数80日前後
と、優秀だった2019年の2Qの効率と同等に戻っています。
在庫の中味も健全である、つまり3Qの販売に必要な在庫のみ
であることをアピールしています。
コロナ禍、ニューノーマル化によって、グローバルトレンドを強味とするZARAは厳しくなるのでは?
という意見もありましたが、
当初計画通り店舗を大幅にスクラップ&ビルドしながら、
パンデミックの最中に店舗とECの統合プラットフォームを前倒しで完成させ、
EC在庫と店舗ストックルーム在庫の一元化(SINT)により
EC売上を2019年対比 137%増 (2020年対比 36%増)
と顧客の購買行動の変化に対応しています。
今年は店舗の回復を見込み、
EC売上比率は通年で25%相当になる見込みとのこと
(昨年は店舗売上が大きく減ったので32.4%)
こちらも、数年前からの計画通りの数値です。
ということで、業界の見方を覆し、
四半期ベースではありますが、コロナ前の好調な水準以上に戻したことになります。
あらためて、需要にあわせて、市場が求めるものをつくり続ける
という同社の柔軟性に驚かされます。
ここのところ、店頭やサイトを見ても、
モードというよりも、カジュアルトレンドを追求した
商品訴求が目立ちますね。
以前から、ZARAは、各サブセクションに
モードトレンドのオン・オフ
カジュアルトレンドなオン・オフの
4軸のコレクションフレームを持ち
毎シーズンの需要に応じてその4つの構成比を変化させならが
売場を構成して来ました。
今回もパンデミック下における顧客の購買志向あわせたまでで、
結果、ニューノーマルの需要に対応できた、というわけです。
ここまで来たら、何でも来いですね(笑)
更に、これまで掲げて来た
店舗やショッピングのDX化の指標や
サステナブル系の指標においても
計画目標を何年か前倒しで達成中というから驚きです。
厳しかった8番目のブランド、服飾雑貨中心のUTERQUEをMassimo Duttiに統合したり、
ZARAの店舗の大型化にあたり、ZARA HOMEを展開する店も増やして行くというように
ブランドごとの対応も推進中。
パンデミックが落ち着けば、あらためて世界最強の強みを見せつけてくれそうです。
今後も、同社からは目が離せません。
最後までお読み頂きありがとうございます。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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「ユニクロ対ZARA」 2018年アップデート文庫本
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