属人的になると、過剰在庫を抱える原因になりがちな、業務フローの3つのボトルネック
オムニチャネル時代のように事業が店舗販売だけでなく、EC販売強化など
時代にあわせて新しいステージに入ると
今まで上手く行っていた業務も
そのどこかに「ボトルネック」が発生するものです。
「ボトルネック」とは在庫が滞留したり、情報が相手に上手く伝わらず、
業務が滞って先に進みづらい箇所のこと
事業の業務フローの中には多かれ、少なかれブラックボックス的なものが存在するものですが・・・
だからと言って、その箇所を放置していたら深刻な経営危機に陥ることも・・・
先日のクライアントとのミーティングも、正にボトルネックがテーマでした。
それらを解消せずに、部分最適な改善の話に取り組んでも、
木を見て森を見ず的な議論、そもそも論になって徒労に終わるよね、
ということを理解して下さり、
視野を広げて、どこにボトルネックがあるのか、
そこに対して何ができるか、に取り組むことになりました。
ファッション小売業の事業の商品計画から販売管理をご支援していて、
いつも業務が属人的(ブラックボックス)になり、
「ボトルネック」になりがちと感じるのは
だいたい、以下の3つのポイントに集約されると感じます。
1.商品計画とその情報共有 (プレシーズン)
仕入予算をMD やバイヤーがどんな商品計画に基づいて、
何をどれだけ発注したのか、が担当者任せで他の人に伝わっていない
→伝わらないことで、販促(マーケ)担当の力の入れどころが的外れになり
販促費の無駄づかい、せっかく作った販促物が、本来売らなければならない
商品の販売促進に活かせていない
2.発注後の約残管理と入荷管理およびその社内連絡 (販売開始直前時期)
仕入担当者が手一杯で、発注済み商品の整理が出来ておらず
近々の入荷予定商品の詳細も、実際に倉庫に入荷するまでわからない
→倉庫に在庫が一時滞留し、店舗で販売態勢を取るのが遅れる、
更にEC販売開始にもタイムラグが・・・
3.販売期限が明らかでない (期末に向けての売り切り段階)
いま販売している商品はいつまで販売・補充が続くのか、
一体、いつまでに売り切ればよいのか、
仕入担当者はどんな着地を望んでいるのか?
を販売担当者である店舗やEC担当者がわかっていない
→今売れている商品を、これからもどんどん売ることに精いっぱいになって
そうでない商品に手が回らない。在庫の店舗ごと、店舗/EC間の偏在解消が
後手にまわる。
あたりでしょうか。
ファッション商品、特にシーズン商品は販売期間の短い商品であり、
特に最初の数週間の機会ロスが致命的であることは言うまでもありません。
その結果が、バーゲン時期の大幅値下げ、想定以上の期末売れ残り在庫の発生へとつながりがちです。
これだけ、書き連ねると、まるで、仕入担当者の責任と思われがちですが・・・
仕入担当者は会社の中で最も忙しい職務のひとつ、
それらの業務を効率化したり、可視化するツールがない、共有する業務フローや機会(ルーティン)がない
結果、属人的(担当者のPCの中でそれぞれ違ったフォームで管理)になってしまっているものを
わかっていながら、放置している事業にも問題があると言わざるを得ません。
いろいろなことがデジタル化され、可視化される時代に・・・
これら利益に直結するボトルネックの部分だけが置き去りにされているのが
むしろ問題と感じます。
DXって、軽作業の軽減や効率化でなくて、
本来、利益の元になる、そんなボトルネックの可視化と解消に
焦点を当てるべきではないでしょうか?
それができれば、実際、粗利やキャッシュとして返って来ますから、
実はIT投資への回収は早いものです。
まずは業務フローの整理とかけている時間を明らかにすることから・・・
投資回収を早めるためにも、ですね。
【参考書籍】
「ボトルネック」と言えば、「ザ・ゴール」
業界改革において志を同じくするパートナーである
ゴールドラット・ジャパンさんが
名著「ザ・ゴール」のコミック版、アニメ版の普及に力を入れています。
以前、原著を読んだこともある方も是非、読み直して、
ボトルネック解消の大切さを噛みしめてみてください。
最後までお読み頂きありがとうございます。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
筆者が講師を務める、今年最後の経営者様、事業責任者様向けビジネスセミナー開催中
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