ZOZOの商品取扱高手数料収入以外の収入に注目
WWDJAPANに月イチ連載中「ファッション業界のミカタ」(ファッション流通企業の決算書の見方)。
今週発売のvol.32(12月13日号)ではZOZOの上半期4~9月期決算を取り上げさせて頂きました。
引き続き、ZOZOTOWN、PayPayモールを合わせた商品取扱高は拡大中。
ZOZOTOWN事業の伸びが鈍感していますが、PayPayモール側の伸びでカバーしています。
ここ数年気になっていた、低価格を望む客層の買上増に伴う、平均商品単価および出荷1件あたりの単価の低下は止まりませんが・・・
当期は物流費、決済手数料などEC販売でかかるメジャー販管費を効率化して、出荷一件あたりの利益額を高めているところに、既存事業収益化の努力の表れが見えます。
本紙では前年比だけでなく、5年以上の時系列比較をしていますので、是非、グラフや図表をご覧ください。
今、そして、これからZOZOの決算を見る上で注目すべきなのは・・・
商品取扱高以外の収入(売上高の中の出荷手数料以外の収入)です。
これらは売上高=粗利なので収益性向上に多いに貢献します。
今回(上半期)、特筆すべきは広告収入の前年比倍増です。
また、十数ブランドを対象に今期リリースした、
ZOZOで見た商品を、ブランドの顧客近隣店舗在庫を取り置いて、
顧客は店舗で試着した上で購入出来るサービス=ZOZOMO(ゾゾモ)に注目しています。
現在は、無料でブランド側に提供しているOtoOサービスですが、将来、商品取扱品の販売手数料以外の、広告収入に次ぐ収入としてマネタイズして行かれることを楽しみにしています。
あと、今回の決算発表では触れられていませんでしたが・・・
ZOZOTOWNのトップページのパーソナライズの準備が着々と進んでいるようです。
これが実現すれば、ZOZOTOWN事業も単価下落に終止符が打たれ、飛躍するのではないかと見ています。
日本最大のファッションテック人材を有する同社のユーザー最適へのチャレンジ、
引き続き、楽しみにしています。
最後までお読み頂きありがとうございます。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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