Amazon(アマゾン)が解決しようとするファッションストアの課題とは?
アマゾンが初のリアルファッションストア、amazon style (アマゾンスタイル)を今年の年末までにロスアンゼルス北部のグレンデールにあるオープンモール型ショッピングセンター、アメリカーナ・アット・ブランド内にオープンするそうです。
amazon styleの売場面積は848坪、同SCのHPにあるダイレクトリーを見るとH&Mの隣になる模様。
同ショッピングモールはノードストロームがアンカー(核)テナントになっていて、
ハイブランドは入っていませんが、J.CrewやLulu LemonやAnthropologieやNike Community Storeなど中の上くらいのブランドが多いようなので、だいたい客層は想像できるでしょう。
ここ、以前「ライフスタイルセンター」というキーワードが話題になったころ、10年近く前でしょうか、
一度、視察に行ったことがあるところです。
品揃えは、メンズ、ウィメンズ、靴、アクセサリー
基本セルフ販売で、程よくコーディネート提案をする売場の中で、
・気になった商品のQRコードをショッピングアプリでスキャンして詳細を知り、
・試着したい場合は、試着予約をして試着室に用意ができればアプリにお知らせが来る
・試着室内のタッチスクリーンで他の色、サイズ、商品をもって来てもらうことも可能
・試着不要であれば、注文後、ピックアップカウンターからそのまま持ち帰ることもできるようです。
また、
・オンラインで見つけたものをアマゾンスタイルに取り寄せ、試着することも可能。
・店舗で一度スキャンした商品は、帰宅後に再考できる。
という オン↔オフを行き来する顧客のシームレス体験も可能とし、
過去に購入したり、閲覧したり、スキャンしたりした商品からAI(機械学習)による商品のレコメンドもしてもらえるそうです。
amazon styleがどんなイメージになるのか?のビジョンはこちらの動画ではっきり紹介されています。
amazon go(アマゾンゴー)でコンビニの
amazon books(アマゾンブックス)で書店の
顧客の店舗でのお困りごと(ペイン)を見事に解決したamazonが・・・
果たして、ファッションストアにおいて固有のどんなお困りごとを解決しようとしているのか?
ニュース記事で読んだり、この動画を観る限り、
さすが、顧客の「ナラティブ」から発想するアマゾン、
かなり、現在、顧客の立場になったら考え得る、ファッションストアにおける顧客ソリューション型の
OMO(Online merges with Offline)のビジョンを実現しようとしていますね。
そして、そのビジョンは、
アパレルの世界王者である、ZARAが
2018年に六本木で行ったONLINE POPUPストアの試みにかなり近いものがあるというのが筆者の見立てです。
そして、あの時のZARAの試みよりも、更に優れているのは・・・
・多くのブランドの中から選べること、
・オンラインで見た商品を店舗に取り寄せて試着できるところ、
そして、
・購入した商品をその場から持って帰ることができるところでしょうか。
(ZARAの場合は、当時、午前中注文したら、夕方以降に店舗で受け取れる、あるいは宅配の選択肢でした)
どうぞ、みなさんも動画を観て、未来のファッションストアを想像してみてください。
年末のオープンが楽しみですね。
筆者もいずれ、海外渡航に自由に行けるようになったら、
いの一番に体験しに行きたい店舗のひとつだと感じました。
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最後までお読み頂き、ありがとうございます。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
【オススメ本】 これから10年先のファッション消費の未来のカギになることは何? 世界で進む、顧客の購買行動の変化に合わせたオン・オフ問わないオンラインの活用、そして顧客のクローゼットを起点としたサステナブルな取り組みとは?いずれにせよ、カギとなるのはお客様のストレスの解消しようとする情熱とそれを実現するイノベーションです。
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