LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンの事業ポートフォリオの強み
3月14日(月)発売のWWDJAPANに月イチ連載させて頂いている「ファッション業界のミカタ(ファッション流通業界の決算書の読み方)」連載35回目では
「LVMHの財務諸表に見るポートフォリオ経営」というタイトルでラグジュアリーブランドのコングロマリット、ルイヴィトン、ディオール、ティファニー、モエ・エ・シャンドン、ヘネシーなどを展開するLVMHの2021年12月決算を取り上げ、
年商8兆円を超えるLVMH社のビジネスモデルをいくつかのグラフで可視化してみました。
まず、2021年の業績は、地域別に見るとアメリカと中国の大幅回復、ファッション&レザーグッズとウォッチ&ジュエリーの伸びで過去最高の業績を更新した同社。
単にティファニーを買収したからだけではなく、
売上構成比の約半分を占め、利益構成比の8割を占めるファッション&レザーグッズが絶好調で、2016年からの年平均成長率だけを見ても2020年度を除き毎年コンスタントに20%ずつ成長し、この規模においても、グループ全体では2桁増を続けているのが強さの源泉です。
グラフ化して面白かったのは
〇 売上が大きく利益率が高いファッション&レザーを核に、
〇 商品回転は悪いですが、利益率の高いワイン&スピリッツ、
〇 利益率は低いが単価の高く金額を稼ぐウォッチ&ジュエリー、
〇 利益率は低いが在庫が回転してキャッシュを稼ぐパフューム&コスメティック、
〇 その他にSEFORAセフォラやDFS(免税店)のようなリテール事業を運営していますが、
ぞれぞれが役割分担をするように、補完し合う、事業の組み合わせとバランスがとても面白いと思いました。
そして、ブランドビジネスというより、富裕層をターゲットとした投資会社としての側面を垣間見ることができました。
複数事業を運営する企業にとっては、この事業ポートフォリオのバランスのとり方も重要な経営センスのひとつだと確信します。
ご興味を持って頂きましたら、本日発売のWWDJAPAN3月14日号をお読みください。
ウェブ版は来週以降に公開になると思います。
とても面白く、グローバルビジネスを考える上で参考になる事業モデルのひとつですので、
今後、同グループをビジネス&財務の側面から定点観測をして行きたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
【おススメ本】これから10年先のファッション消費の未来、そしてアパレル企業生き残りのカギになることは何?国内外で進む、顧客の購買行動の変化に合わせたオン・オフ問わないオンラインの活用、そして顧客のクローゼットを起点としたサステナブルな取り組みとは?いずれにせよ、カギとなるのはお客様のストレスの解消しようとする情熱とそれを実現するイノベーションです。
| Permalink | 0