しまむらの2022年2月期決算は過去最高売上・利益を更新。次の成長ドライバーは・・・
4月5日に発表された、しまむらの2022年2月の決算発表資料に目を通しました。
売上高 5836億円(107.6%)
売上総利益率 34.1%
営業利益 49億円(130.0%)
営業利益率 8.5%
で売上高、営業利益、経常利益、当期利益とも過去最高でした。
売上の75%を占めるファッションセンターしまむらが、短サイクルMDと期中でも柔軟に売場の部門構成比を変える需要連動型の品揃えが奏功し、
売上高が前年比106.8%、19年比109.6%となり、巧みな在庫コントロールで値下げも減らし、営業利益率が10%(前年は8.8%)になったのも大きいですが、
当期のトピックは
売上高が695億円前年比110.9%となったバースデイの大幅増収増益(営業利益率前年4.5%から当年6.4%に)と
同じく544億円前年比110.0%になったアベイルの増収黒字化(-0.6%から2.8%に)が大きいのではないでしょうか。
バースデイとアベイル業態は構成比が10%を超えたので、今後、数値を開示して行くことになると思われます。
メイン業態のしまむらは
前年比、前々年比は伸ばしていますが、まだ、2017年2月期のしまらーブーム当時の売上にはまだ及びません。
部門別売上を見ると、
コロナの影響を受けなかったと見られるしまむらも、けっして服が売れているわけではなく、
婦人衣料、肌着などの落ち込みをベビー子供服、洋品小物、インテリアでカバーしているのが実状。
もっとも、しまむらは服が売れなければいけない、という業態ではありませんが・・・
EC売上は前年比164%で28億円になったとは言え、全社売上比0.5%程度。
その9割が送料無料の店舗受取りとのこと。
低価格チェーンはお客様も送料無料ハードルを越えほど無理に買うのも大変ですし、
チェーン側も送料無料となると薄利になるので、
EC売上は伸ばしづらい、あるいは、プライマークのように、やらない、というのが世界的な傾向のようです。
しまむらは、過去最高売上、最高益を計上して、
今後、都心出店に再チャレンジするそうです。
家賃条件さえ合えば、都心部は販売効率は高くなることは間違いないので、
立地を精査しながら、今後、都心出店が同社の成長ドライバーになるかどうかに注目ですね。
さて、間もなく世界アパレル専門店売上高ランキング2021年度版がまとまりますが、
しまむらはランクは下がりますが、トップ10内に残っています。
過去1年の世界の強豪各社の動向を見ると、
多くの企業が、顧客購買行動のパラダイムシフトにチャレンジし、大きく変化対応に踏み出しているのがわかります。
チェーンストアにとって、出店拡大や品揃えの変化だけが仕事じゃない、
企業の時代の変化対応のビジョンが求められている時に、
しまむらはどんな未来を描くのか?そんな業界リーダーシップにも期待したいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございます。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
| Permalink | 0