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April 11, 2022

メルカリが物流子会社「メルロジ」で取り組む、持続可能な宅配物流量平準化へのチャレンジ

Photo_20220418000101 4月8日の日経新聞にメルカリが物流子会社「メルロジ」で、
「ゆっくり宅配」の選択肢を顧客に提供し、近年パンク状態の宅配物流の物量平準化に取り組むことに関する記事が掲載されていました。
記事によれば
日本の宅配件数は現在、年間50億個もあるそうですが、
そのうち、アマゾンが約7億個で全体の14%を占め、
メルカリもそれに迫る全体の約1割の約5億個にまで増えているそうです。
そして、コンビニから発送される宅配荷物のなんと、8割はメルカリ関連のものとのこと。
そこまで宅配に占めるシェアが高くなれば、メルカリ自身も、他人事ではなく、社会的な役割が問われて来るというわけです。
こちらも記事内で紹介されている宅配物流業界の情報ですが、
日本の営業用トラック便の積送効率は20年度に4割を切った模様で・・・
これは、つまり、スペースの6割以上は空の状態でトラックが走っていることを意味しています。
以前、小口のオンデマンドで運ぶゆえ、宅配物流の往復積載効率は4割程度が実状と運送業界の方が嘆いているのを聞いていましたが、
企業間物流(BtoB)はもっと積載効率は高いと思うので、平均が4割を切るとなると、
宅配(BtoC)だけでみるともっとひどい状態になっているということでしょう。
加えて宅配には再配達もありますし・・・
つまり、そんな非効率な状態では、荷主は一個あたりの宅配運賃は満載状態時と比べて
2.5倍相当の料金を払わされてもおかしくない、という話です。
そんな状況の中で、
これまで「安く、速く」が競争の常識だったEC宅配の世界で、
ゆっくりでいい人は送料が割引、あるいはポイント付与のようなサービスを増やして行こう
という試みが「ゆっくり宅配」の目的です。
需要の都度、荷物が動くBtoC宅配だったとしても、
上手く、定期ルート便の物量を平準化することにより、出来るだけ顧客の近くまでBtoBで運ぶことによって実現するチャレンジ。
元アマゾンの物流責任者だった方がメルカリに転身し、
「速さ」とは180度違う観点で取り組む物流プロジェクトというから面白いことになりそうですね。
上手く軌道に乗り、将来は、メルロジがメルカリ以外の他社の荷物も運ぶサービスを提供するようになることを楽しみにしています。

 

記事を読んでいて思ったのですが・・・

日本の企業って新しい施策に取り組む際
競合他社を見て競合対策で取り組んだり、
社内の業務の都合で導入が決まることが多く・・・
顧客の立場で考えるって視点が欠けている
顧客不在の議論をしている企業が結構多いなって、いつも感じるのは私だけでしょうか?
送料の安さや速さを競うスピード配送しかり。
特定の部署だけが導入する部分最適なDXと呼ばれているソリューションなんかにも多いなって感じます。
そして、その結果、どこかに皺寄せが来たり、無理強いが起こるわけです。
そのツケを顧客が払わされるとなると最悪です。
配送のスピードについては、
確かにお客さんの中には、「速く」を希望する方もたくさんいらっしゃるとは思いますが・・・
選択肢を提示すれば、自分の都合で店舗へ取りに行く方もいらっしゃれば、
急いでないから、あるいはいつでもいいからできるだけ安い選択肢を好む方もいらっしゃいます。
そんな顧客の要望の多様性を理解して、上手くミックスして、知恵を絞ってサービスを提供することこそが、
これからの持続可能な経営のカギになると思っています。

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 

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