ZOZOのWEARのフリマ機能は、メルカリ以来の新たな流通革新のきっかけになるか?
7月6日にZOZOが運営するコーディネートレシピ投稿アプリ、WEARからメルマガが届きました。
WEARがフリマ機能を新設し、これまでWEARユーザーが投稿した手持ち服が、WEARで売れるようになるといのこと。
これは、時代に合った、とても画期的なサービス拡充だと思いました。
しかも、その呼び水に、フォロワーの多いファッショニスタ(ウエアリスタ)14人がそのフリマに、かつて投稿した手持ち服を次々に出品するとのこと。
人気の方々所有の一点ものなのでほとんど瞬殺で売れることでしょう。
このメルマガを読んで2つのことを思いました。
ひとつは、多くの生活者が着ていない服をたくさんクローゼットに眠らせているということ
以前も投稿しように、クローゼットの休眠服の循環はファッション流通市場の大きな課題のひとつです。
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もうひとつは、その循環の促進の一端を担うフリマアプリ。
メルカリなどが今後、更に普及するためのネックは、出品の際の商品撮影の面倒さと売買の際の買い手とのコミュニケーションのストレスであること。
WEAR利用者は、すでにアップした画像がそのまま流用出来れば、フリマ出品の作業軽減になるでしょうし、
それがわかりやすい参考スタイリングとなって、フォロワーや投稿にいいねした、体格の近いユーザーにリーチすることで、
販売チャンスも高まるでしょう。
WEARに投稿するようなファッション好きな人は手持ち服も多いでしょうし、
彼女彼らが選んだ服は、きっと多くの買い手がいることでしょう。
そして、それを売ることができれば、投稿者にとって、また新しい服の購入モチベーション、つまり服の循環にも繋がるわけです。
そんな着なくなった循環を手助けすることを通じて、
WEARは販売手数料を得て、新しいマネタイズの手段となり、販売代金を回収代行してプールできる。
販売者がそのプールされた代金でZOZOTOWNでお買い物をしやすくすれば、ZOZOTOWNとの新しい相乗効果も生まれるでしょう。
要は、まだ市場の流通の一部かも知れませんが・・・
アパレル市場の中長期的な課題である、顧客のクローゼットの服の循環の中でも、
比較的、感度の高い服の層の循環が始まるという訳です。
メルカリがクローゼットの服の循環のファーストステージ担ったとしたら、このWEARのフリマ機能はセカンドステージが始まるきっかけになるかも知れない、と妄想する次第です。
この動向、是非、注目しておいて下さい。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
【参考】SPA、ファストファッション、ショッピングのデジタルシフト・・・10年周期で起こるファッション流通革新を経て、これからの課題は生活者のクローゼットの中の服の循環です。本書の後半部分では、それらに取り組む企業のチャレンジを取り上げ、問題提起をしています。
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