ユニクロのファーストリテイリング2023年8月期も過去最高益。連結年商5兆円、10兆円達成への道筋は?
ユニクロを展開するファーストリテイリングの2023年8月期決算発表がありました。
売上高は 2兆7665億円
営業利益は 3810億円 と過去最高益
営業利益率は 13.8%
今期24年8月期は3兆円を超える計画です。
23年8月期はまだ世界3位の年商規模ですが、
順当に行けば、2年後にはH&Mの売上を抜き世界2位になりそうです。
柳井社長(会長)は
ユニクロ海外事業の旗艦店の出店で年商5兆円までの道筋見えた
そこまで行けば、2倍の10兆円にすることは難しくないともおっしゃいます。
ファストリとしては期限を設定していませんが、
例えば
国内ユニクロ事業は横ばい
海外ユニクロ事業は年率15%成長
GU含むユニクロ以外の事業も同様の年率で
連結で年率12-13%の成長するとすると
6年後の2029年には 年商5兆円 (ZARAのインディテックスは今期中に5兆円に到達見込みです)
12年後の2035年には 年商10兆円
になる見込みです(筆者試算)。
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GUはどの国でも競合が多いので、やはり海外ユニクロ事業の成長がカギ
今回のファストリ決算発表の目玉は、
ユニクロの地域別の売上高と営業利益をはっきりと開示したことでしょうか。
売上高(前比)/営業利益(前比)/営業利益率/売構成比
日本 8904億円(9.9%) /1178億円(9.2%)/13.2%/ 38.5%
グレーターチャイナ 6202億円(15.2%)/1043億円(25.0%)/16.8%/26.9%
韓国・東南ア・インド・豪州 4498億円(46.1%)/782億円(36.4%)/17.4%/19.4%
欧州 1913億円(49.1%)/ 273億円(82.5%)/14.3%/8.3%
北米 1639億円(43.7%)/ 211億円(91.9%)/12.9%/7.1%
連結調整合計 2兆3275億円(27%)/ 3447億円(46%)/14.8%
※前比の%は全て+で伸び率を表す
市場の大きい欧米が期待されますが・・・競合も激しいので・・・
やはりカギは中国市場と東南アジアの伸びしろでしょう。
中国と東南アジアは利益率が高いですね。
日本よりも単価を高く設定して売っていることもあるでしょう。
いよいよ1000店舗を超える中国本土では、
店舗の純増数をキープしながら、スクラップ&ビルドに取り組むようです。
そして、中国市場でのシェア拡大のために、より大衆価格へ価格調整をする(こなれた値段にする)というカードも残っています。
日本においては、数字を見る限り、成熟期も後期に入っている感がありますが・・・
グローバル企業は、ある市場は成熟期に入っても、他の市場で成長すればいいわけで
特に人口の多い、人口が増えるアジア(インド含む)市場での成長に期待をしたいところです。
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最後までお読み頂き、ありがとうございます。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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