第1話 ファストファッションを楽しもう
安いのにトレンド最先端の服、新作も店頭に並ぶアウトレット...今ファッション界では高級ブランドを頂点とした従来の階級が流動化、「革命」的な現象が相次ぐ。
ビジネスコンサルタントの斉藤孝浩さんに舞台裏を解説してもらい、おしゃれを賢く楽しもう。
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2008年の秋、銀座一号店開店一カ月半で一日平均八千人がの来店、話題になったのが、スウェーデンを拠点にした世界最大級のファッションチェーンH&M(ヘネス・アンド・マウリッツ)。相次いで原宿店もオープンし、連日大混雑しています。
その注目ぶりを理解するキーワードが、「ファストファッション」という言葉です。
語源は、ファストフード。そう、H&Mは、世界のトレンドをいち早く取り入れ、おしゃれで、価格も安い、という三拍子そろった商品を提供することで、世界的に成長した企業の代表格なのです。
これまで、デザイン性が高く、トレンドに富んだファッション商品は値段も高く、なかなか手の届かないもの、という常識がありました。そうした最先端のファッションを気軽に買えるのは、後追いで大量生産され、価格が下がるワンシーズン(一年)後だったものです。
一方、H&Mやすでに日本に進出している、スペインが拠点のZARAといったファストファッション企業は、百人超の自前のデザイナーがトレンドマーケットのファッション企業と同じ情報収集、商品開発を行っています。ワンシーズン着れば十分な、豊富な種類の商品を次々と生産、常に最新の商品を各国の直営店に並べています。
従来、百貨店やセレクトショップなどでしか買えなかった、トレンド感あふれた洋服。ファストファッションの出現で、「この秋冬だけ着られればよいから、安く買いたい!」「高額を出してまでは着ようと思わなかった!」という人たちが、コーディネートに取り入れる機会が増えるのは間違いありません。
(ファッションビジネスコンサルタント)
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